石川県白山市では、北陸新幹線の平成33年(2022年)金沢~敦賀延伸に合せ、平成23年より約5年間に渡り、森喜朗元総理や稲田朋美議員なども交えて、市内に新幹線駅(白山駅)の誘致活動を続けてきました。
しかし平成29年3月、「福井先行開業等検討委員会」(与党整備新幹線建設推進プロジェクトチーム)は、JR西日本には新駅設置により年16億円も収支が悪化する予測から新駅設置の考えが無いことを踏まえ、『白山駅の検討は行わない』と結論付けました。
これを受け、白山市では4月に白山駅誘致を断念、5月に期成同盟会を解散しました。
【金沢駅】 【上田駅】
約15km 約19km
(白山駅) (千曲駅)
約12km 約14km
【小松駅】 【長野駅】
今年(平成29年)7月に、一志会・科野の会に所属する議員団により、政務調査費を使って、石川県白山市への視察会が開催されました。
このたび、当会にて、両会派から議会に対して提出された、白山駅の視察に係る「視察報告」(抜粋)を入手しましたので、広く市民の皆様にご覧いただきたく、ここに掲載させて頂きます。
1.千曲市議会 一志会 視察報告(抜粋)
2.千曲市議会 科野の会 視察報告(抜粋)
(※以下の 報告書の内容は、議会に提出された文書のコピーを、当会にて文字データに変換しています。そのため体裁等、提出された文書の原本とは一部異なる点があることを、ご留意ください。)
平成29年8月1日
和田重昭 議長 様
一志会 会長
中村 直行
千曲市議会 一志会 視察報告
平成29年7月19日(水)~20日(木)にかけて一志会で視察しましたので、ここに報告いたします。
一志会 視察参加者
中村 直行
小山 嘉一
小玉 新市
7月19日(水)13時30分~15時30分
・研修先: 白山市
・研修事項: 新幹線新駅誘致、期成同盟会について
7月20日(木)9時30分~10時30分
・研修先: 魚津水族館
・研修事項: 水族館による地域振興
7月20日(木)11時~13時30分
・研修先: 一般社団法人黒部宇奈月温泉観光局
・研修事項: 黒部宇奈月温泉観光振興
<中略>
【説明の概要】
白山市の「新幹線総合車両所」計画は、北陸新幹線計画の中で当初から存在していた。この車両碁地をベースに考え「白山駅整備促進・まちづくり推進市民会議」が設立され、車両基地駅の実現に向けた取り組みが進められた。
平成24年の総会において「森元総理」が新幹線総合車両所のある都市においては新幹線駅が設置されているが、無いのは白山市であるため「新幹線白山駅」の設置を推進するよう話が出た。
平成25年に「新幹線白山駅をつくろう会」が設立。「北陸新幹線(仮称)白山駅建設期成同盟会」が設立し、新駅実施に向けた動きが始まった。この2つの会はそれぞれ活動を開始し、3市町首長、議長、知事、地元選出国会議員などが、JR西日本、国交省などに平成25年から28年まで、15回以上の陳情を重ねた。そんな中、地元国会議員と共に「与党整備新幹線建設推進プロジェクトチーム」に新幹線白山駅設置検討していただくよう働きかける。
こうした活動から「与党整備新幹線建設推進プロジエクトチーム」は、平成28年10月18日、「福井先行開業等検討委員会」において白山駅について議論し、工期や事業費などの点については障害にならないとして、JR西日本と検討されるよう中間報告を示した。
しかし12月15日、JR西日本より課題が示された。1)利用客が望めない。2)新駅設置により年間10億円の費用が必要。3)速達性が低下する。などであった。そこで「福井先行開業等検討委員会インナー勉強会」で検討され、16億円収支が悪化するなど報告された。
平成29年3月15日、JR西日本の新駅設置の考えがないことの意向は重いと判断し、「与党整備新幹線建設推進プロジェクトチーム」は報告書を提出した。
こうした結論を得て、3月26日「新幹線白山駅をつくろう会」が解散、4月15日「北陸新幹線(仮称)白山駅建設期成同盟会」が解散した。
平成24年から始まったJR西日本認可による「新幹線白山駅」は終了した。
【断念した理由】
多くの国会議員や、県も賛同していただきテーブルの上に乗っていたので、建設可能は最後まで信じていた。平成27年、28年に2次交通や駅周辺の整備計画の国からの補助金740万円、650万円を使って計画書を作成していた。
当初は平成37年度福井延伸予定であったのが、2年短縮されたため白山駅を建設するのなら35年度は間に合わないとの返答もあった。(早くなったため、他の自治体に迷感をかけてはいけないといった考えもあった)
期成同盟会が解散し、新駅撤退を決めた時、県議会では質問があったが、市議会では質問はなかった。議員全員が新幹線新駅の特別委員会に入っていたためであった。
【認可駅がダメなら請願駅の構想は】
JRの認可駅でも整備新幹線のため県が1/3負担、およそ20億円、白山市が1/10(およそ2億円)負担しなければならない。これが請願駅であれば60億円以上白山市が出さなければならない。とてもそのような財源は白山市にはない。今回の新駅誘致についても「請願駅」はやらないと当初から決めていた。
【千曲市の活動について】
「請願駅」の設置に向けてJR東日本が何らかの興味を持たなければ、あるいは何か特徴が千曲市に必要ではないでしょうか。交通の要衝といったものではなく、千曲市にしかないような何かを出すことではないでしょうか。
北陸新幹線整備促進県民会議の中に位置づけられなければならないと思います。まずは長野県が主体となって動いてもらうことが大切だと思います。
平成29年8月30日
和田重昭議長 様
科野の会 会長 中村眞一
千曲市議会 科野の会 視察報告
平成29年7月19日(水)~20日(木)に、科野の会(一志会と合同)で視察を実施レましたので、ここに報告致します。
科野の会視察参加者
中村眞一、金井文彦
7月19日(水) 13:30~15:30
・視察先: 白山市
・視察研修事項: 新幹線新駅誘致、期成同盟会などの活動について
7月20日(木) 9:30~10:30
・視察先: 魚津水族館
・視察研修事項: 水族館による観光及び地域振興
7月20日(木) 11:00~13:30
・視察先: 一般社団法人 黒部・宇奈月温泉観光局
・視察研修事項: 黒部・宇奈月温泉観光振興
<中略>
第20回福井先行開業等委貝会にて谷本知事が要請。(11月)
第21回福井先行開業等委員会にて課題への対応策を提案。
JR西日本より以下の課題が新たに示された。
1)現状の松任駅(白山市)での特急利用者数(140人/日)を踏まえると、白山駅の多くの利用者は見込めない。
2)新駅設置により、年間約10億円の費用が生じる。
3)列車の速達性が低下する(一駅約5分)
与党整備新幹線建設推進PTにて福井先行開業等検討委員会より、「需要見込みやJRの収支採算性が重要であるため、国・機構・JR・県・市で検討、確認を行い、年度末までに結論を出す」と中間報告。(12月)
<平成29年>
福井先行関業等検討委員会インナー勉強会にて、鉄道・運輸機構及びJR西日本より、白山駅の設置に伴い平威24年の金沢・敦賀認可時予測より16億円収支が悪化すると報告。(1月)
与党撃備新幹線建設推進PTの福井先行開業等検討委員会より最終報告書が提出。JR西日本の意向は重いため、白山駅の投討をこれ以上行なわないと結論。しかし、白山総合車両所を活用し、鉄道インフラ輸出などの政策実現に向けた取組みは重要であるとの認識を示す。
「新幹線白山駅をつくろう会」解散。(3月)
「北陸新幹繰(仮称)白山駅建設期成同盟会」が第5回総会にて5月31日をもって解散することを決議。(4月)
2.視察を受けての考察
白山駅は新幹線のレールが敷かれる前のJR西日本の認可駅として誘致括動が進められてきた。そもそも元総埋の提言がきっかけとはいえ、期成同盟会の設立より3年余りで、与党新幹線建設推進PT及び、福井先行開業等検討委員会のテープルに乗せるという、そのスビード感に驚いた。国会議員はもとより、県、近隣市町村の賛同を得て、三年間で15回以上の陳情を重ねた。その間、市民が誘致活動に疑問を投げかけるようなことはほとんどなかったという。結果として、JR西日本の収益が見込めないことを理由に新駅設置はしない、との回答を重んじて誘致活動は終了したが、請願駅」での誘致はしないと当初より決めていたことも含め、その決断力には感心した。
白山市は千曲市と比較して、人口も多く、地方都市としての規模もしっかりしており、なによりも、新幹線の総合車両基地を有している。今回の新駅誘致活動も 千曲市のそれとは比較にならないほど非常に強カなものであったが、それでも駅はできなかった。要はJRにとっての収益性の問題に尽きるように思う。「交通の要衝」であるメリットを利用しての「パークアンドライド」のアピールだけでは余りにも弱く、近い将来、加速度的に千曲市の新幹線新駅の利用者が増大するような「何か」が必要である。その「何か」の兆しをJRが感じ取らなけれは、何年誘致を行っても新駅実現は不可能ではないかと思う。